今日4月8日は、故岡田有希子さんの没後30年にあたります。人気絶頂の時に自ら命を断ってしまったあの時の衝撃は、今でも忘れることは出来ません。トップアイドルとしてポスト聖子とも言われていましたが、彼女の持つスター性はそんな言葉だけでは語れないでしょう。
最近、彼女のCDをよく聞いています。デビュー曲のファースト・デイトは竹内まりやさんに直談判して提供されたと聞いています。歌詞に込められた感情を的確に表現するには決して簡単な歌ではないと思いますが、それを見事に歌いこなしている。当時のアイドルの中では、その歌唱力は素晴らしかったと思います。それでもこの歌が当時のオリコンチャートで最高位20位までしか届かなかったのですから、やはり歌の世界は甘く無いのだなと思います。
CDは当時の録音技術なので素晴らしいとは言い難い部分も多々あります。またいわゆる昭和歌謡的な色合いの残る歌もありますが、総じて言えるのは、彼女がそうした様々な歌を見事に歌いあげていることです。全曲を通して聞いていると、これが同じ人の歌声かと思えるほど、時には少女のように、時はエレガントな大人の女性を思い起こさせるように、その曲に合わせた声色になっているのです。それもまた彼女の持つ才能だったのでしょう。
アーティストの中には、自分のために作る歌よりも他の人に提供する歌のほうが力が入るという趣旨の発言をする人も多いです。ですから、もしも彼女が生きていたら、もっとたくさん彼女に向けられた名曲が誕生していたかも知れません。早すぎた死が悔やまれてなりません。
あの後、彼女のファンで後追い自殺した人もかなりの数に及びました。彼女が所属し、その屋上から身を投げて亡くなった当時のサンミュージックのビル前には、今でもファンが彼女を偲び、献花、黙祷を捧げるということです。
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