先週から始まったNHKの連続テレビ小説、「とと姉ちゃん」がなかなか面白いです。
先週はまだ主演の高畑充希さんがそれほど活躍していませんが、とと(お父さん)役の西島秀俊さんが、優しくていいお父さんを好演しています。もっとも、そのととも早くもお亡くなりになってしまいましたが、連続テレビ小説では前作、「あさが来た」から数えて連続5週で登場人物の誰かがお亡くなりになっているということで、最近では魔の金曜日となっているらしいですね。
それにしても、「あさが来た」では玉木宏さんにディーン・フジオカさんと、ダブルインカムならぬダブルハンサム体制で、今回の「とと姉ちゃん」も西島秀俊さんに向井理さんと、結婚したい男性芸能人では常に上位の二人を配役するなど、女性ファンの獲得に余念がありませんね。これに福山雅治さんでも加えたら鉄壁の布陣になりそうですが、残念ながら皆さん結婚されてしまいました。それでもどなたもあまり生活臭を感じさせないところが凄いです。
とと役の西島秀俊さんが出演するドラマはわりとアクションものなども多いですが、むしろこうした優しい役の方が合っているように思います。あまり滑舌の良い方ではないと思うので、アクションものの派手なセリフ回しは聞いていてちょっと辛いこともあるんですよね。ですから今回のように物静かでゆっくりと話す役だと、その優しさや人柄がにじみ出て安心して見ることができます。
ただ、魅力的な人柄のととが早くに亡くなってしまったのは、正直寂しい。ととが生きていたらタイトルが「とと姉ちゃん」にはならないだろうとは思いますが、きっとあの時代では相当稀有な存在のお父さんだったと思います。
ある日、取引先の社長から有名画家が描いた高額の抽象画を貰い受けます。ですが、その場の酔った勢いで譲ってしまったその社長は、翌日酔いが覚めるとその絵を返してくれるように頼んできます。もともとそんな高価なものをもらうつもりもなかったととは、二つ返事で快諾します。ところが、返すつもりで家に取りに帰った時には、幼い娘がその絵に落書きをして、それを直そうとした次女がさらに傷口を広げて、とんでもない状態になっていました。その絵を見て愕然とするととでしたが、どうしてそんなことをしたのか理由を聞いた時に、娘たちを愛おしく思ったととは決して怒りませんでした。そして責任は自分が取るからと落ち込む子供たちを励ましました。素晴らしいお父さんです。
ただ、この時に心配する子供たちにかけた言葉が、「安心してください」だったんですよね。心配している人に掛ける言葉としては確かに間違ってないんでしょうが、どうもこの「安心してください」という言葉を聞くと、脳内で勝手に「穿いてますよ」という言葉がリフレインしてしまって、たちまちドラマの世界から引き戻されてしまいます。きっと脚本家の人はそれを狙ってるわけではないでしょうから、出来たら別の言葉に変えて欲しかったかなという思いはあります。
しかし、今のところはそんなことも笑って言えるような心あたたまるドラマですので、今後も楽しみにしたいと思います。
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