囲碁のプロ棋士がコンピューターと戦う、「Google DeepMind チャレンジマッチ」で、これまで3連敗中だった韓国のプロ棋士が一矢を報い、対戦成績を一勝三敗とした。
韓国のプロ棋士が初勝利 人工知能に1勝3敗
【ソウル米村耕一】米グーグル傘下の人工知能(AI)開発ベンチャー企業「ディープマインド」(英国)の囲碁ソフト「アルファ碁」と、韓国のプロ棋士、李世※(イ・セドル)九段の五番勝負第4局が13日、ソウル市内で打たれ、李九段が初勝利を挙げ、対戦成績を1勝3敗とした。(※は「石」の下に「乙」)
チェスや将棋はすでに人口知能AIに負けているから、碁もいずれはコンピューターに負けるだろうとは言われていた。その一方で、計算が膨大になるのであと10年は人間には勝てないだろうとも言われていた。しかし初戦から三タテを食らって世界最強とも言われるプロ棋士の負け越しが決定してしまっている。
人工知能の思考の過程では、チェスや将棋ソフトはプロ棋士の定跡を研究してプログラムされているように思う。一方、囲碁は定石に囚われずにまっさらの状態から最善手を考えているようにも思うので、少し違うような気もする。
もともとコンピューターは計算する機械で、記憶力は人間が及ぶところではない。計算で成り立つゲームなら機械に負けるのは致し方無いような気はする。しかし、お互いが最善手を打ち続ければ先手か後手のどちらかが勝つという結論が出てしまうと、ゲームとしての面白みは損なわれる。仮にそれを正解あるいは正攻法とした場合に、人間同士が打ち合ったのではその域に達するのは難しいだろう。
それでもコンピューターが正解を見つけ出してしまうと、それを再現するのはそう難しくはないから、今後の対局のあり方も変わってきてしまうだろう。何よりも、プロ騎士以上に強いコンピューターがいたのでは、プロ棋士の存在意義そのものが問われてしまう。
しかしたとえそうなっても、もしも将棋や囲碁の最強手順というものがあるなら、その世界を見てみたいという思いもまたあるのだ。
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