最近のコンビニはレジの順番を公平にするために、まず一箇所に並ばせてから空いたレジに誘導するところが多いように思います。ところがスーパーの場合にはスペースの関係上、それぞれのレジに列をつくることが多いですね。
どこへ並んでも時間的にそれほど差が無ければいいんですが、混雑している時にはかなり違いが出てきます。そんな時に並ぶ列を決めるのは、競馬の勝馬投票券(馬券)を買うのに似ています。
まずは並んでいる人たちの買い物カゴの中身を確認します。あたかもパドックで今日の馬の調子を見るような感じです。並んでいる人たち全員の買い物カゴをつぶさに観察し、どこが早そうか当たりをつけます。
次に並んでいる人たちの傾向を見ます。若い人が多いか、あるいは老人が多くないか、はたまた買い物に慣れてなさそうな人はいないかを瞬時に判断します。馬の適性を見るのに似てますね。
その際によく利用するお店だとレジ係の手際もわかっているので、誰が打っているかを確認します。これはまさに騎手ですね。競馬は騎手で買えという格言もあります。ただし、レジが混雑している時にはバーコードを読み取る人と会計をする人が別々の二人体制を取る時があるので注意が必要です。二人に比べて一人のレジは大きなハンデになります。
さて、そこまで一応確認してどのレーンに並ぶか検討に入ります。この際特に注意する必要があるのは、カゴいっぱいに商品を詰め込んでいる人がいないかです。レジを通すときにカゴがスカスカの場合には特に何も考えずに右から左に商品を移せばいいだけです。しかし、カゴがいっぱいになっている場合には、移動するときに配置を考えないとならないので余分な時間を要します。そうなると会計の時間を入れても買い物量の少ない二、三人分の時間を費やす可能性があります。
そういったものを総合的に判断すると頭の中で高らかにファンファーレが鳴ります。いざ列に並びますが、この際に仮想ライバルを見つけます。自分の直前に別のレーンに並んだ人。もう一人は自分の直後に同じく別のレーンに並んだ人です。どうせ他の人のレジをやっている間は暇ですから、運試しのつもりでやってみます。他のレーンよりも遥かに早く会計が済んだと思うと気分的に得したように思います。逆の場合にはストレスが溜まりまくるので、短気で自制の効かない人はやめた方がいいです。
しかし、そこまで周到に検討しても予期せぬ自体というのは往々にして起きるもの。前に並んでいた人が思わぬブレーキだった場合。細かいお金を出すのに手間取っています。これはあたかも逃げ馬が3コーナーからまくられてズルズルと後退する感じ。
もっと悪いのは表示価格と実際の商品の値段とが違っていた場合。指摘されたレジ係が確認しに売り場まで走って行ったりします。こうなるとレジはもぬけの殻。後ろに並んでいる時の落胆と焦燥感は、まるで先行馬が4コーナーを回ってからの直線で後続馬に次々と追い抜かれている状態。ほぼ絶望的です。
しかし最悪なのはレジが壊れた場合。失格か落馬状態同然で完全に戦意喪失です。競馬は何が起こるかわからないのと同じですね。
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